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糸満ハーレーと海神のお話 ~旧暦5月4日ユッカヌヒー~ [琉球通信:OKINAWA journal]






海神

糸満は沖縄唯一の第二種漁港に指定された糸満港をもつ漁師の町である。独特の糸満漁法「アギヤー」(追込漁)で活躍した糸満漁夫として有名である。

むかし、海が時化(しけ)て漁ができないとき、漁師たちは親方の家に集まって、酒盛りをした。

「おまえたちに、ひとつ聞きたいことがる。この世で何が一番うまいか、言ってみろ」

酔いもだいぶまわったころ、親方の言いつけで、ひとりひとり、魚がうまいの、豚肉が一番うまいのと、自分の好物をあげていったが、部屋のすみにいた男が、

「おれは、塩が一番うまいと思う」

と答えた。この答に、親方は大いに不満で

「なに、塩だと。お前はこのおれをなめているのか」

すっかり腹をたてた親方は、自分の力をかさにきて、

「おれにさからう奴は、海に放りこんでやる」

とまで言うしまつ、あわれ正直に自分の考えをいったばかりに、男は嵐の海に投げこまれてしまった。

さて、三日吹きあれて嵐は止んだが、晴れたのはほんの束の間、今度は、くる日もくる日も雨ばかりで、漁にも出られない日が続いた。

親方は自分が言った手前、塩が使えないので、毎日の食事はまことに味気ない。

「ふむ、こう味がなくては食えたものではない」

肉も魚も塩がなくては少しもうまくない。はじめて、塩の大切さに気づいた親方は、

「あの正直者の漁師を海に流したのは、俺がわるかった」

若者たちに命じて、この正直者の漁師を八方探させると、はるか南の島で、ひとりでひっそりと暮らしているのが見つかった。若者たちが、わけを話して、糸満に帰るように言ったが、

「いや、私は正直にものが言えないようなところには帰りたくない。ここの方がよほど気楽でいいのだ」

それでも無理やり男を船に乗せて帰ったが、糸満近くの海で、男は身をひるがえすと、海に飛びこんでしまった。

「やっと目がさめた。あの男は海神だったのだ」

それ以来、旧暦の五月四日に村をあげて海神祭を行なうようになった。舟を連ねて勇壮な競技はハーリー競漕となって現在に伝えられている。

打ち鳴らす銅羅(どら)の音が青い海にひびきわたると、沖縄の梅雨がからりとあがるといわれている。

『沖縄の昔話』 朝日矢商事(株)発行 より引用

ハーレーの名称
沖縄県内では一般的に「ハーリー」と呼ばれているが、方言の大切さと伝統を重んじる糸満では、漁業のまちらしく行事本来の名称である「ハーレー」を使用している。一時期「爬龍船行事」「海神祭」と呼んでいた時期もあったが、昭和52年、伝統を重んじ「糸満ハーレー」に戻している。(糸満海人(ウミンチュ=漁師)の血を引く八重瀬町港川や、県外では徳之島でも「ハーレー」と称して行事を行っている)

糸満ハーレー -Wikipedia より引用

【海洋民族の血が騒ぐ日】

沖縄の生活の中に根付いた、カヌー競技であり、海の神様のお祭り・お祀りでもあります。

競技に使われるサバニという沖縄生まれのカヌーは、本来は木製ですが、
名護の全島ハーリーは、FRP製のサバニを使用しています。

近年は、糸満でも、FRP製のサバニが使用されています。
(職域ハーレーはFRP製のサバニを使用)

糸満と名護では、FRP製のサバニの形状が、ちょっと違います。

実際、僕は、その両方を漕ぎ比べたことはないので、
形状の違いによる、性能の違いはわかりませんが、
糸満型のFRP製のサバニの方が、木製のサバニに近い形状をしています。
名護型は、船首が普通のカヌーみたいにとんがってます。
(名護型の船首の形状の方が、水の抵抗が少ないのでは?)

ただし、糸満ハーレーは、伝統的な三村の競漕では、木製のサバニを使用します。
西村(シンダカリ=現在の西区、上の平)
中村(メンダカリ=現在の町端)
新島(ミージマ=現在の新島、新屋敷、新川、前端、南)

沖縄 勇壮な糸満ハーレー
https://www.youtube.com/watch?v=KN1aVPkjNaY
[沖縄タイムス公式動画]

糸満ハーレー [フリー動画] 2015年 6月
https://www.youtube.com/watch?v=CrVG9reFAsw


クンヌカセー 糸満ハーレー  2012.6.23
https://www.youtube.com/watch?v=WNwB6Pm1nuA

沖縄 糸満ハーレー 転覆(クンヌカセー)
https://www.youtube.com/watch?v=F6ucv8dcX9k

<クンヌカセー(転覆競漕)>
レースの途中で舟を一斉に転覆させたあと、舟を元通りに起こし、再び乗り込んで競漕する糸満独自の競漕形態である。
かつて、荒海で小さなサバニを操って漁をしていた頃は、転覆の危険はいつも身近にあった。
転覆してもすぐに起こして漁を続ける。この技術と力強さを転覆競漕に託して、観衆の目前で披露し競うのである。

糸満市のHPより引用

クンヌカセーの観戦って、妙に熱くなるので、大好きです。

ハーレー、ターンするところが見どころ~

新島は、ターンのときの、一番エークの動きが、ハワイアン・スタイルみたい?
(先頭の一番エークは、舵取りと同様に、重要なポジション)

鳥の羽根がはばたくように、エーク(パドル)が綺麗に揃うと、
サバニ(カヌー)はスピードを上げて走りだします。

●より詳細な情報は糸満市のHPが超おすすめ

糸満ハーレー
http://www.city.itoman.lg.jp/kankou-navi/docs-kankou/2013020109750/

行事のみどころ
http://www.city.itoman.lg.jp/kankou-navi/docs-kankou/2013020109811/

ハーレーの歴史
http://www.city.itoman.lg.jp/kankou-navi/docs-kankou/2013020109828/

名称由来と発祥
http://www.city.itoman.lg.jp/kankou-navi/docs-kankou/2013020109842/

舟と漕ぎ手の位置
http://www.city.itoman.lg.jp/kankou-navi/docs-kankou/2013020109835/

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